特集 小学校「外国語」教科化で何が変わる?

小学校「外国語」教科化へのスケジュール

どう変わる?平成32年度以降の教育方針
小学校で外国語(英語)が教科に
小学校の「外国語」教科化で変わること
教科化に向け、いまから意識すべきことは?

「英語で何ができるか」の観点で児童の姿を見ましょう 

 教科化されると「正しい英語を使っているか」ということが重視されると誤解している人が多くいますが,重視されるのは、目的・場面・状況に応じて「英語で自分の意図を正しく伝えているか」ということです。この点を意識して児童の姿を「英語で何ができるか」という点から観察していきましょう。どのような力を育成したり評価したりすればよいのかについて具体的に考えられます。

 文部科学省の現段階までの議論では,小中高それぞれで育成すべき外国語運用能力について,4技能(5領域)ごとに具体的な指標を挙げています*。小学校の外国語科においては,CEFR**のPre-A1からA1程度の初級レベルの英語の運用能力を育成することが提案されています。教科化されると,ここで挙げられているような英語の運用能力を育成し評価することが求められます。現在の外国語活動の中で,「児童は挨拶や短い簡単な指示を聞いて理解することができるか」「定型表現を用いて,簡単な挨拶をすることができるか」などの視点で児童の姿を把握する評価力をつけていきましょう。


『「外国語」等における小・中・高等学校を通じた国の指標形式の目標(イメージ)たたき台』
(中央教育審議会教育課程企画特別部会平成28年8月1日配布資料:文科省HPよりダウンロード可)

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CEFR(セファール):
Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment
「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ共通参照枠」

ALT 任せはやめ,自分も教室英語を使って授業をしましょう

 教科化に向けて,先生方の指導力・英語力を向上させていくことも重要です。今までALTとのTTを実施していた学校でも,学級担任が単独で授業を行わなくてはならない状況が多くなるでしょう。ALTにすべてを任せるのではなく,一緒に対話のモデルを示したり,一部の活動については主となって指導したりすることで,少しずつ指導力を高めていきましょう。

 また,先生自身が授業の中で英語を使っていくことで,ご自身の英語力をアップさせましょう。語句の発音や文構造の規則など疑問に思ったことはメモをしておき,後で英語の得意な先生に尋ねたり,インターネットで調べたりしましょう。Hi,friends!などの音声教材をまねすることによって,発音を練習し,表現を覚えることができます。ALTの先生が活動の際に用いる教室英語をまねし,メモをすることによって,英語での指示や質問のしかた,児童の発話や行動に対しての反応のしかたを学ぶことができます。小学校の先生に必要な英語力は,中学1年程度の語彙や文法を,授業の場面で使いこなす力です。難しい語彙や文法を学ぶ必要はありませんが,即座に英語を用いることを心がけるとよいでしょう。

 

ごあいさつ

英語教科書小学校英語編集長 伊藤加代子

 平成32年度から,小学校で英語が教科となります。「ことば」は私たちになにをさせてくれるだろうと改めて考えてみると,私たちはずいぶんと「ことば」に頼って生きていると気づかされます。ことばがなければコミュニケーションは難しくなりますし,そもそも私たちは「ことば」を使って考えています。

 話せる「ことば」が増えれば,可能性も広がります。この可能性は,世界と繋がる扉です。子どもたちがこの扉を開くまであとわずか。私たちになにができるのか,先生がたのご意見を頂戴しながら考えていきたいと思います。