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三省堂 英語ホーム その2」

フーンコラム78回(2010年11月号) 後関正明

英語学習への興味を喚起する その2

前回のコラムでは,「英語学習の興味づけ」について,「題材に関する興味・関心」の観点から興味づけを行う工夫についてお話ししました。「題材に関する興味」から「ことばに関する興味」→「英語に関する興味」→「英語学習に関する興味」へと発展していけばしめたものですが,そこまで到達するには「情意面での動機づけ」も必要だと思います。情意面での動機づけというのは,達成感を味わったり,よい意味で競争したり,協力しあったりするようにうまく指導するという,いわば「情意面」から英語(学習)に向かわせることです。今回は,特に中学1年生の指導の段階から頭に入れておきたい「情意面での動機づけ」のポイントについてお話ししたいと思います。

現在,中学1年生は小学校で何らかのかたちで英語に接してきています。そのため,英語教師が第1時間目に英語で「自己紹介」などのteacher talkを行っても,以前ほど興味津々と目を見張って先生の英語に聞き入ることも少なくなりつつあるという話を聞きます。そこでまず第一に,今後の「授業計画」作成のおおまかな指針を改訂していくために,「各小学校でどの程度『英語活動』に慣れ親しんでいるか」という観点から,新入生にアンケートをとることをおすすめします。たとえば,「1週に何時間『英語活動』をしたか」,「どんな活動をしたか」などを思い出して書いてもらうわけです。このアンケートで小学校での「英語活動」の実態をある程度つかめます。公立・私立や各地域によって,結果は違っている段階だとは思いますが,あくまでも入門期の授業は,英語活動の授業を受けてきた時間がいちばん少ない生徒を基準にすべきだと思います。

その上で,情意面での動機づけを行うためのヒントをざっくばらんに挙げたいと思います。

@ 「全員参加型」授業を心がけ,1時間の中で生徒が発話(発声)できる機会をできるだけ多くします。例えば,「コーラスリーディング(クラス読み)」→「グループリーディング(班ごとの読み)」→「ペアリーディング」→「個人読み」の順でリーディング指導をみっちり行い,個人指名を少なくても1時間のうちに一人3回は行うようにします。この練習によって生徒一人ひとりが「言えた」「読めた」と実感することができ,また,教師が合間合間に褒めことばをうまくはさむようにすれば,さらに自信を持つようになります。

A 「小学校英語活動」ですでにほかの生徒より進んでいる生徒や,塾などで先取りして予習をすませている生徒がいる場合,その生徒が飽きないように,「投げ込み教材」を駆使します。たとえば,"Today's Hot News"と称し,英字紙の写真を見せ,簡単な英語で説明するとか,easy readingの一部を読み上げるなどの工夫をして,生徒の目と耳を釘付けにします(ちなみに私は,簡単な「ピクチャーカード」も自作しました)。「投げ込み教材」は誰もが未習の事柄なので新鮮な感じを受け,その時間が活発になり,授業全体にもよい影響を及ぼすことと思います。

B 授業を活性化するために,グループごとやペアごとでお互いに競争させることも必要です。ただし,つまずく生徒が出てきたら,その「つまずき」にいち早く気付き丁寧に説明して再び軌道に乗せることも大事です。また,生徒本人にもその「つまずき」に気付かせることが大切です。

C 1年生の初めのうちから家庭学習(宿題)の習慣をつけることも,将来的に実に重要な指導のポイントになります。多過ぎず,また少な過ぎず,適切な宿題を課すように,あらかじめ宿題の内容を吟味しておくことが大切です。思いつきで出したり,授業で終わらなかった部分をその場で宿題にしたりする教師をときどき見かけますが,あまりよい宿題の与え方だとは思えません。生徒が本気になって取り組めるような内容を考えたいものです。

次回は,これらのポイントを具体的な指導事例に結びつけていきたいと思います。また,「1年生ばかりでなく,2・3年生の興味づけについてもコメントをいただきたい」という旨のメールが何通か届いているため,1年生ばかりでなく,学年を追ってお話していこうと思います。初めに「興味づけ」についてご質問いただいた先生をはじめ,さまざまな先生に参考にしていただけると幸いに思います。

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後関 正明 (ごせき まさあき) 先生
東京都墨田区立中学校で教諭,校長を長年務める。その後,東京都滝野川女子学園中・高校で教鞭をとる。現在,NPO法人「ILEC言語教育文化研究所」常務理事。2003年より國學院大学で教職課程履修の学生を教えている。

フ〜ンコラムバックナンバー (第1回〜77回)

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